幼稚園の教育のひとつの要素は「子どもの興味」です。興味のあることをとことん追究するのも大切ですが、その前に「興味の幅を広げる」という段階が必要です。その上で追究したくなるほどのものがあれば、子どもは自然とハマっていきます。
では興味の幅を広げるにはどうしたら良いでしょう。それにはいろいろな経験ができる環境を用意するのが第一ですが、大人としては「子どもが興味を持ったこと、疑問に思ったことを潰さない。一緒に興味を持つ」「疑問にすぐ答えず、子どもが考えていく姿を尊重する」「大人が興味を持つ姿を見せる」「でも大人の興味を押しつけない」ことですね。大人になると「しなくてはいけないこと」が増えて、興味を持っている暇がないのですが、子どもといるときだけは子どもに戻っていろいろなことに興味を持ってみてください。おもしろいですよ!
(追加)
※ 具体例
「子どもが興味を持ったこと、疑問に思ったことを潰さない。一緒に興味を持つ」
昔から典型的とされる質問。(でもほとんど聞いたことがない)
「お空はどうして青いの?」
大人だったら「そんなことどうだっていいじゃない。それがわかったからって人生に役立つわけじゃないでしょ」ですね。
でもこれ、答えるのはかなり難しいですよ。
わりあいわかりやすく書いてある説明はこちら。
キヤノン:技術のご紹介 | サイエンスラボ 空はなぜ青いの?
でも・・・わからないですよね(笑)
こどもの質問って、「どうでもいいじゃん」と無視しないで向き合ってみると、大人も考えさせられる深い質問だったりします。
もちろん子どもに正確な答えを返す必要はありません。でも、「質問に向き合ってくれた」「一緒に考えてくれた」というのは子どもにとってすごく嬉しいことですし、自己肯定感につながります。そして、もっといろいろ考えてみようと思えますよね。
「疑問にすぐ答えず、子どもが考えていく姿を尊重する」
質問されたとき、「なんでだろうねえ。ママもよくわからないわ。○○ちゃんはどう思う?」と聞いてみてください。「わかんない」という答えが返ってきたら、例えば上の例でしたら「夕方はお空が赤くなることもあるわよね」とか「虹は青だけじゃなくていろいろな色があるのよね」など、ちょっとヒントになりそうなことを言ってみるのもいいかもしれません。
子どもがトンチンカンな考えをするかもしれません。でもそれを否定せず、自分で考えたということを褒めてあげてください。
「大人が興味を持つ姿を見せる」
大人は、ほとんどの場合「目的をもって」行動しています。たとえばスーパーに買物に行くときは「スーパーで買物」という目的を持っているので、通り道であんまり寄り道をしたりしませんし、気になったものがあってもあまり立ち止まりません。
でも子どもは寄り道したがります。道端になにか見つけると立ち止まります。目的よりも好奇心が優先されるんですね。
こういう姿を潰すのはもったいないと思います。できるだけそういう行動・気持ちに寄り添ってください。(時間がないときは焦りますけれど)
そして、自分自身も子どものようにいろいろなものに興味を持ってみてください。
「あの家、顔に見える!」「トンネルは柱がないのに潰れないのはなぜ?」などなど・・・
ふたば幼稚園にもおもしろいものがあります。
- ホールの天井の方にある「ブランコふたばちゃん」はどうやって設置したんだろう?
- 産業道路の歩道から見ると、ピンクさんのお部屋の横の塀によじ登っているくまさんは、なんで園庭の方を向いているんだろう? 道路の方を向いていれば「みんな一緒に遊ぼうよ!」って言うことだとわかるけれど・・・
答えは、園長に聞いてみてください(笑) 2つ目の不思議はいろんな解釈があって良いと思います。
「でも大人の興味を押しつけない」
入園当初、お子さんに「友だちできた?」「その子の名前は何ていうの?」「先生は優しい?」「いじめられてない?」と質問を浴びせませんでした?私は息子娘に浴びせました^^;
でもそんなこと、子どもには興味がありませんし、面倒くさく思うかもしれません。
そんな短期間で友だちなんてできませんし、名前もわかりません、たまたま一緒に遊んだ子に「僕の名前は〇〇だよ。きみは?」なんて言いませんよね。(先生はみんな優しいです!)
「いじめられてない?」と聞かれると、ママの気持ちを引くために「うん・・・ちょっと」と答えてしまうかもしれません。
もちろんそういうこと、聞きたいですよね。興味がありますから。
でもそれは子どもが興味あることでしょうか? 聞く前にちょっと一呼吸おいてみましょう。