3月は幼稚園の1年の最後の月です。年長さんにとっては幼稚園生活の本当の最後、ですね。そこで今月は小学校での学習にも関わる話を書きます。年中・年少さんの保護者の方も、1年2年先のことを思い描いて読んでみてください。

 先日の「あそびと造形展」でお渡しした親子工作は「天秤(てんびん)」でしたね。かごを横棒(腕とか竿といいます)に引っ掛ける「位置と重さ」によって釣り合うかどうかが決まりますよね。これは小学校5年の理科で習います。計算式で簡単に「釣り合う条件」がわかります。

 今回の親子製作はもちろん「小学校の勉強の先取り」ではありません。でも、幼児期にふさわしい「試行錯誤する経験」をしてもらいたいとの思いから企画しました。大人なら計算式を思い出して、かごを引っ掛ける位置の支点からの距離や重さを測って釣り合う場所を決められますが、お子さんとは「このへんかなあ」とか「「重さが違うと距離も違うね」「重いものだと距離はどうなる?」などと、試行錯誤を楽しんでもらいたいのです。できれば公園のシーソーでの試行錯誤に発展したらおもしろいですね。【すぐに正解を言わない】がキーワードです。

 これ、ふたばの教育目標のひとつ「科学する心の芽生え」です。「なんでだろう、ふしぎだな」「どうすればいいのかな」という感情(非認知能力)こそが、学校での学習や社会での創造的な振る舞いの原動力になるのです。天秤をきっかけに、いろいろなことがらで「科学する心」を感じられるよう願っています!

 ちなみに、どうでも良いですが、私はてんびん座です(笑)