先日、ある小学校の運動会に伺わせていただきました。卒園児たちが全速力で走ったりのびのびとダンスをしたりする姿を見るのはとても幸せを感じます。幼稚園では「歩くことの延長」のようだった走りが、しっかりと手を振り腿を上げる走り方に変わっていたり、ダンスも手足の先まで意識が宿り、ダイナミックに体を動かすとともに、止めるべきところではピタッと止める・・・成長を感じます。(いつもちょっと残念なのは、1・2年生のかけっこが直線なこと。幼稚園の年長さんはカーブを走れるのに。小学校の先生方にいつも話すのですが、なんとなくスルーされちゃいます)

 その中で、1・2年生によるダンシング玉入れ(ダンスをして、音楽が止まったら玉入れをする:最近の流行りです)で面白い試みをしているのを見ました。玉入れは何回か行われるのですが、最後の回で金色の玉が投入され、それをいれると2点が加算されるというものです。これは、最後に大逆転できるという面白さとともに、掛け算の導入にもなるなと思ったのです。1個の玉につき2倍の点数というのは1×2という最も基本の掛け算ですが、「倍」という概念を教えてくれるからです。「九九」を暗記することも必要ですが、掛け算とは何かを知ることは算数・数学の大事な土台です。

 日頃から皆さんにお話していますが、一つの活動や遊びには一つの教育的ねらいだけでなくいくつもの観点から・いくつものねらいがあることを知ってくださると嬉しいなと考えていますので、機会を見つけてお伝えしていこうと思っています。