子どもは日常の自由な遊びの中でいろいろなことを自ら学びます。でも私たちは課題活動や行事のもつ力も大切だと考えています。
運動会を目指して一生懸命練習したり、お遊戯会のダンスや劇あそびのためにクラスで話し合ったりという経験が子どもたちの成長を飛躍的にしてくれることを知っています。
そのときそのときの子どもたちの状況をよく観察し理解する中から、今必要な活動とは何かを考えていきます。
「環境」には物的環境と人的環境があります。
物的環境は、自然環境がいちばん大切です。ふたば幼稚園にはたくさんの自然があります。でもそれだけではなく、人工的な環境も子どもたちの成長に必要です。園庭には木製の遊具など子どもたちがのびのびと遊べる環境があります。お部屋には集中して遊べるおもちゃもたくさんあります。
そして、もっと大事なのが人的環境。子どもたちの心に寄り添い、優しくて頼もしくて、でもいけないことをしたときにはきちんと叱ってくれる先生たち。
この2つが相まって、ふたば幼稚園の教育は豊かなものになると信じています。
けんかは大事です。主張と主張のぶつかり合いのか中から子どもたちは主張の仕方を工夫し、相手の気持を汲み取ろうとする努力をするようになります。そして本当の「仲間」になっていきます。
でももちろん、「意味のあるけんか」であるかの見極めは大切です。たとえば理由がわからないのに噛みつかれるのまで「けんか」として認めてしまったら、お互いの成長は期待できません。
なぜ自然は素晴らしいのでしょうか? 今は本物そっくりの木や花もあります…
しかし本物の自然は人間に都合よくできていません。だからこそ子どもはそれに不思議さを感じ、敬意の念を持ち、チャレンジしてみようと思うのです。また、木のぬくもりや肌触り、虫の鳴き声、作物の収穫は子どもの気持ちを癒し、発散させてくれます。
園舎裏の第2園庭はそのような思いから、実のなる植物のある丘にしています。
幼児期の子どもたちは主体的な遊びや生活の中で豊かに育ちます。でもそれだけでよいでしょうか?
たとえば「きちんとするべきところできちんとする」「正しい行いをする」ことができないと、自分勝手な人間になり、社会の中で浮いてしまいます。
そこで私たちは「秩序や正しいことは気持ち良いのだ」ということを感じられる経験も用意しています。もちろん押し付けるのではなく子どもが気づけるように工夫して。
保育者養成校の先生と「学級崩壊」について意見交換していて、「小1で荒れているのは一握りで、そんなにひどいことにはならない。でもその一握りの傍若無人を許したり目を背けたりしていると、周りの児童もだんだん『それでいいんだ』と思い始め、3〜4年生で多くの児童が荒れ始めてしまう」という話になりました。
ふたば幼稚園の子たちはとても優しくて善悪をしっかり判断できると思っていますが、やっぱりだんだん染まってしまうのかなあと心配になりました。
ところが翌日、卒園児のお母さん(お子さんは大学生)とその話をしたら、「たしかに小学生になったとき荒れているお子さんとかいじめをするお子さんに出会う。でもふたばの子たちはそういう子たちに加担しない。中学や高校になっても、荒れてしまう子はほとんどいない。ふたばの子たちは芯のある優しさを持っているのだと思う」と言ってくれました。
涙が出そうななるほど嬉しい言葉でした。
ふたば幼稚園にはいろいろな個性のお子さんが集まっています。障害のあるお子さんもいます。でも子どもたちはお互いを尊重し合い、助け合い、「芯のある」優しさを身に着けていっていると思います。
手前味噌ですが、それは子どもたち自身の持っている強い優しさを引き出し伸ばす先生たちの愛情と情熱の賜物だと思います。何かができない友達をばかにすることなく、「お互い様」と当たり前のように助け合っていくためには、周囲に自分を尊重し無条件に愛してくれる、そしてどの子に対してもわけへだてなくその愛情を注ぐ「良いオトナ」がいることが不可欠です。
そしてもちろん、一番の要因は「家族」ですね。保護者の方々が子どもをしっかりと愛し、守ってくださるからこそ保育者の関わりがとても豊かで効果的になるのです。
いつまでも「ふたばの子たちは本当に優しいね」と言ってもらえるよう、そして、ふたばの子たち以外の子どもたちも幸せになれるよう、これからも頑張って保育をしていこうと思ったひとときでした。
(園長)
歌詞
1
朝が来た うれしいな 幼稚園
お友達 にこにこと 集まった
先生 おはようございます
楽しいな ふたば幼稚園
2
元気な子 明るい子 泣かないぞ
なんでもね 自分でね 考える
みんながみんな 仲良しで
楽しいな ふたば幼稚園
/(ひらがな)
1.
あさがきた うれしいな ようちえん
おともだち にこにこと あつまった
せんせい おはようございます
たのしいな ふたばようちえん
2.
げんきなこ あかるいこ なかないぞ
なんでもね じぶんでね かんがえる
みんながみんな なかよしで
たのしいな ふたばようちえん