来年の東京オリンピックのマラソン・競歩について、IOC(国際オリンピック委員会)が「札幌で行う」提案をしたと報道されました。この文章を書いている時点ではどういう決定がされたかはわかりませんが、私個人はこれに賛成です。もちろん「準備期間が少なすぎる」「チケットはどうする?」「宿泊予約した人への補償は」という意見はありますが、東京の組織委員会は「アスリート・ファースト(選手が主役)」というキャッチフレーズで推進してきたはずです。主役である選手たちが熱中症で倒れていくレースなんて観たくありません。
そんなことを考えていたら、「ふたば幼稚園もキッズ・ファーストを大事にしているなあ」と再認識しました。幼児教育では子どもたちが主役です。大人の都合で子どもたちを型にはめたり引っ張り回すことはしてはいけないと思っています。もちろん野放しにするということではありません。ひとりひとりの個性を大切にし、豊かで幸せな未来になるようにサポートしていくのが大人の役目です。先日の運動会でご覧になったように、ひとりひとりの個性が輝き、友達同士が輝き合い、クラスや幼稚園全体が素晴らしい光を放つ集団になっています。そしてそれを見守る私たち大人も、幸せになれると信じています。
私たちは、子どもがいけないことをしたら叱ります。頭ごなしに叱りはしませんし、悪意がなければアドバイスから始めますが。
私は子どもを「怒る」ではなく「叱る」という言葉を使います。私の中での「怒る」と「叱る」の違いは、まず「怒る:感情をぶつける」「叱る:情報を伝える」ということ。怒れば子どもはその感情だけを受け止めます。なぜ怒られたかはわかりません。叱る:情報を伝えれば、子どもはどうしていけなかったかがわかります。
「怒る」と「叱る」の違いの2つ目は、「怒る:大人のため」「叱る:こどものため」ということです。子どもに怒ると、大人はスッキリするかもしれませんが、子どものためにはなりません。こどものためにするのが「叱る」です。
「今自分はこどものために叱っているか?それとも自分のために怒っているのか?」と、ときどき考えてみることにしています。
また、これはネガティブな行動だけではありません。子供が描いた絵を褒めるとき「上手ね〜!」というだけでは、子どもは「自分の絵の何が良かったのか」がわかりません。わからないけれど、褒められるために絵を描くようになってしまうかもしれません。そうではなくて、どんなところが良かったのか、また、結果よりも「努力した、工夫した、良いアイデアを考えた」などのプロセスを認めてあげるのが、こどもの成長をより豊かにすると考えています。