幼稚園では、お帰りのときに「おかえりの歌」を歌います。(保育園ではお帰りの会をしないので、歌いません。中田先生はこの歌を知っているので聞いてみてください笑) 少し古めかしい雰囲気の歌なのですが、これは幼稚園創立時に副園長を務めていた、私の母が選んだのだと思います。ただ、当時は作詞・作曲者について、特に意識したことはありませんでした。
ところが、ある保護者の方が「この歌は、瀧廉太郎作曲・東くめ作詞の《さようなら》が元になっているようです」と教えてくださいました。調べてみると確かにその通りで、創立から70年にして初めて、出どころがはっきりしたのでした。
瀧廉太郎は「荒城の月」「お正月」「花」などの名曲で知られる作曲家で、「さようなら」は明治34年に発表された楽曲です。
(歌詞と曲:幼稚園での歌詞は少し違います)
https://www.uta-net.com/song/249129/
この歌の中に「皆連れ立って帰りましょう」という歌詞がありますが、これは現代の子どもたちにはあまり馴染みのない言い回しのようです。そのため、多くの園児が最初のうちは「にれつになって」とか、「にもつをもって」と歌うお子さんもいると、のりこ先生が教えてくれました。
こうした歌詞の“聞き間違い”、皆さんにも心当たりはありませんか?
有名な例では、「巨人の星」の主題歌「思い込んだら」を、バックのグラウンド映像に引っ張られてローラーのことを「重いコンダラ」と思っていた、という話があります。(実は歌詞のその部分のバックはローラーがけの映像ではないのですが) 私はというと、中島みゆきさんの「時代」の「回る回るよ時代は回る」を、「回る回る4時台は回る」だと思っていた時期がありました。(※古い歌ばかりで恐縮です…)
また、園歌の2番の歌詞には「元気な子 明るい子 泣かないぞ」という一節があります。この「泣かないぞ」には、「子どもが泣かない子であるべき」ではなく、「泣きたいときもあるけれど、頑張ろうとする気持ち」が込められているのです。(大げさに言えば、非認知能力の先取りです)
私は、こういう言い間違いや聞き間違いがとても好きです。子どもたちが、自分の語彙で歌詞の意味を想像したり、覚えたりしていく様子が、本当に愛おしいと思います。
お子さんやご自身が歌詞を勘違いして覚えていた経験があったら、ぜひ教えてくださいね。