「三角形の内角の和は何度でしょう?」「平行する2本の直線はどこかで交わりますか?」
小学校で習った記憶があると思います。答えは「180度」「いいえ、交わりません」ですね。
ところが「三角形の内角の和は180度よりも大きい」「平行する直線は必ず交わる」という世界があるのです。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、前者は「ユークリッド幾何学(平面幾何学)」、後者は「非ユークリッド幾何学(ここでは球面幾何学)」の世界です。
球面幾何学は、地球の表面をイメージするとわかりやすいと思います。地球儀の上で三角形を描くと、ちょっとふくらんだ形になります。だから180度よりも大きくなるのです。経度線(東経140度とか)は平行線ですが、北極点や南極点で交わっています。(こちらの話は難しい)
平面幾何学的な地図(メルカトル図法とか)で東京からサンフランシスコまでの最短距離として直線を引いても、本当の地球上では最短にはなりません。ためしに以下のリンクで見てみてください。
北の方に曲がった曲線に見えますが、これが地球上では最短の直線なのです。
・・・じつは私もちゃんと理解できていません。ましてや幼児や小学生には理解不可能ですね。でも、海に行ったとき水平線が真っ直ぐではなく弧を描いているのを見て不思議たと思ったことがあるかもしれません。地球儀で、地球は平面ではなく球体であることもなんとなく見ているかもしれません。球体幾何学を初めて学ぶとき、「なんだかわからなかったことが少しわかった!」という経験は、学ぶということへの意欲に繋がります。「子どもには難しいから」と避けるのではなく、「わからない」ことの経験をしてもらうことはとても大事なことだと思っています。