挨拶って大事ですよね。と、当たり前のように思いますが、なんで大事なんでしょう?社会のルールだから?マナーだから?挨拶しないと変に思われるから? そうですよね。でももう少し掘り下げて考えてみます。

 社会学や心理学の専門家は、挨拶は「相手に不安を与えないための方策」と捉えることが多いようです。たしかに挨拶をしてもらえないと「この人は私を悪く思っている?敵意を持っている?」と感じてしまうことがありますものね。逆に言えば挨拶をしてくれると安心します。そして、もっと仲良くなりたいなと感じます。挨拶って、周囲の人や自分自身が安心して穏やかに過ごすための道具なんですね。

 ですから大人は「柔らかい、届く声で、相手の顔を見て、少し微笑んで」挨拶しています。では子どもはどうでしょう。挨拶に限らず、「公共のものを乱暴に扱わない」「相手が嫌がることを言わない、しない」「困っている人がいたら助ける」などの社会的行動は生まれつきにできるのではなく、【大人や友だちの行動から】学んでいきます。ここで大事なのは、大人が「○○(たとえば挨拶)しなさい」「△△しちゃダメ」と指示するだけではほんとうの意味の社会的行動は身につかないということです。これではただ「指示に従う」ことしか学びません。大切なのは、大人がモデルになる行動をしたり、行動の意味を伝えることですね。

 最近はYoutuberなどがわざと悪いことをしておもしろがらせることをしたりしていますが、子どもが「あれでいいんだ」と思ってしまわないか心配です。