「最近の小中高生は読解力がない」と言われます。これには2つの側面があって、一つは「文章の意味の理解が悪い」、もう一つは「長文読解力が不足している」というものです。

1つ目の「意味の理解」ですが、国立情報学研究所の新井紀子先生が行った中高生向けの読解力テストで、予想外の悪い結果が出てしまいました。問題の例は以下のページで見られます。(後半の宣伝は関係ありません)

https://www.sokunousokudoku.net/media/?p=2802

新井先生はいろいろな原因を述べていますが、大きな要因は、学校や塾での指導が「意味を理解する」よりも「テクニック」に走っているのが原因ではないかと言われています。たとえば「2.5mのリボンを0.7mずつ分けると何人に分けられてリボンは何m残りますか」(小5(という問題に対して「残りは4m」と答えた児童が半数、という話がありましたが、これも小数点のあるわり算は小数点をずらして計算するというテクニックだけを学んでしまったからかも知れません。

「できればいい」「正解すればいい」という指導や学びは手っ取り早いのですが、実は自分で考えられない、意味を理解しない、機械のような人間を作ってしまうのではないかと心配しています。

2つ目の「長文読解力」については、スマホの狭い画面とか、ツイッターやLINEなどの短文表現の文化が影響しているように思えます。大学のレポートなどでも、ぶつぶつに切れた文章とか、段落ごとに言うことが違ったりとかしている学生をよく見かけます。

幼児期には、大人が単語だけでお話するのではなく文章的な会話をしてみたり、小学生になったら小説などを読むように仕向けてみてはいかがでしょうか。