学習塾の先生のブログを読みました。テーマは「経験欠乏症」。
ある生徒は単語でしか会話しなかったそうです。「これ」「やるの?」「できない」のように。先生が話しかけても「わかった?」「鉛筆、持って」のような単語での言葉かけならわかるけれど、それ以上に長い言葉かけだと理解できなかったそうです。またある生徒は、先生の言葉かけはある程度理解できるけれど、自分からはほとんど言葉を出さない(出せなかった)そうです。
保護者から聞いたところ、単語でしか会話しない生徒は家庭での大人からの言葉かけが基本的に単語だけだったそうです。また、言葉を出さない生徒は小さい時からテレビやYoutubeばかりみて育ったので、自分から言葉を出す経験がとても少なかった。
この子たちは普段の生活ではそんなに困っていなかったようです。でも学校での勉強にはとても悪い影響が出ていました。授業やテストでは文章で指導され、出題されます。それが理解できない。言葉を発する経験が少なければ答えられないし質問することもできない。その先生は保護者の協力を得て、子どもが「ことば経験」をたくさんできるようにして、その結果学校の成績はどんどん上がっていったそうです。
私は「ああ、だから幼稚園って大切だなあ」と感じました。先生たちは子どもに対して文章のように話します。意味を理解してもらうために言葉を尽くします。そして同年代の友だちと会話することで自分の気持ちを表現したり相手の言いたいことを理解したいと思えるようになります。
コロナでいろいろな経験ができなかった子どもたちが本来の力を発揮できるよう努力してまいります。