乳幼児期の英才教育は子どもの知的レベルにそれほど影響がないということは、今までの研究でそれなりに明らかになっています。もちろん内容や教え方にもかなり左右されます。「暗記」「詰め込み」「強制」的な教え方は効果がなく、かえって学ぼうとする気持ちをなくさせてしまいます。逆に「推理」「余裕」「自分で考える」的な、しかも楽しい雰囲気だと、知的レベルが上がり学びへの意欲も高まることが多いそうです。

 そういう状態は、なにも塾や教室に通わせなくても経験できるという研究があります。これは乳幼児の家庭で毎月1回1時間、親子の会話を録音したて文字起こしをした研究。すると、「親が子どもに話しかける言葉の量と子どもの知的レベルは相関する」。つまり話しかける量が多ければ多いほど子どもの知的レベルが上がっていたということです。これ、話しかけるのが親でなくとも園の先生でも良いそうです。

 でも、やたらと子どもに話しかけるのは大人も疲れてしまいますし、子どもも煩わしくなってしまうかもしれません。この研究では、直接話す代わりに絵本の読み聞かせも効果があると言っています。肝心なのは、読んでいるときに子どもに質問することだそうです。それも「はい・いいえ」で答えるものではなく子どもが考えて答えるような質問。「このお花は何色かな?」「ウサギさんはどうすると思う?」「これって何のためなんだろうね〜」「なぜそうなんだろうね〜」「これって○○(子どもが知っている知識や経験)と似てない?』のような。それならできそうですね! 乳児期後半〜幼児期〜児童期に「疑問を持つ」「自分に置き換える」「目的を考える」経験は、その後の学習態度のベースになるものです。

  • もちろん心を動かすようなストーリーの絵本ではやらないほうが良いですが(笑)

「勉強以外の話題で、子どもと話をする際に、『これって何のためなんだろうね〜』『なぜそうなんだろうね〜』『これって○○(子どもが知っている知識や経験)と似てない?』と言ってみる」

意味を理解する子は、「疑問を持つ」「自分に置き換える」「目的を考える」傾向にあります。